当院が取り組む歯周病治療
メディカルトリートメントモデル(MTM)で、科学的根拠に基づいた治療プログラム
メディカルトリートメントモデル(MTM)とは、患者様のお口の中の状態を分析し、その科学的根拠に基づいて、お一人お一人に対して提案するオリジナルの治療プログラムのことを指します。
歯科医院での歯周病治療はもちろん、ご自宅でのセルフケアの改善、生活習慣の改善についてのアドバイスを行い、計画的に目標へとたどり着きます。
当院の検査内容
歯周ポケット検査
歯の根と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」の深さを、専用の器具を用いて計測します。
1歯につき1カ所の計測を行う歯科医院がほとんどですが、当院では1歯につき6カ所の深さを測ります。このことで、歯周病の進行をより正確に把握することができます。
画像診断
デジタルレントゲン
歯槽骨、つまり歯を支える顎の骨の状態は、デジタルレントゲンによって診査します。
歯周病が悪化して歯がぐらつくのは、歯槽骨の吸収(溶けること)によるものです。吸収がこれ以上進まないように、適切な治療を行う必要があります。
歯科用CT
歯の根の状態は、三次元の立体画像が撮影できる歯科用CTにて診査します。
現状の正確な把握、適切な治療の選択に役立ちます。
口腔内写真
歯や歯ぐきの外から見た状態を、カメラで撮影します。
歯周病の場合は、治療の前と後で歯ぐきの色が良くなったりハリが出てきたりといったことをご覧いただけます。
ブラッシング状態の診査
数週間に一度の歯科医院での通院治療も大切ですが、何といっても毎日のブラッシング状態が良くなければ歯周病は改善しません。
歯周病の原因となるプラークをしっかりと除去できているか、磨きムラがないかということを、染め出し液を使ってチェックします。染め出し液を口に含むと、プラークだけが赤く染まりますので、患者様にも鏡で確認していただき、ブラッシングの改善に役立てます。
顕微鏡検査
口腔内から採取したプラークを、位相差顕微鏡にかけ、歯周病菌やカビ菌などの細菌を確認します。
細菌の種類に応じた治療をご提案いたします。
唾液検査
少量の唾液を検査キットにかけることで、歯周病リスク、虫歯リスクなどを計測できます。
当院では、WHO(世界保健機関)が疫学調査で使用している「デントカルト」と呼ばれる唾液検査を行っております。
当院の唾液検査は、デントカルト(WHOの疫学調査でも使用)を導入しています
WHO(世界保健機関)での疫学調査、歯科先進国の大学・公的機関などで使用されている唾液検査「デントカルト」を導入しております。肉眼では分からない唾液の質、細菌の種類・種類などを調べ、治療に役立てます。
検査内容でわかること
口腔内の細菌の種類・量
ミュータンス菌やラクトバチラス菌の量を調べることができます。いずれも、歯周病の原因となる細菌です。
唾液の質
唾液には、食事などによって酸性に傾いた口腔内を中性に戻そうとする力があります。唾液検査により、その力の程度を測定することができます。
プラークの量
歯周病・虫歯の原因菌が潜むプラークの量を計測します。
虫歯リスク・歯周病リスク
その他、さまざまな項目についての測定結果をもとに、総合的な虫歯リスク・歯周病リスクを割り出すことができます。
検査方法
- ガムを噛んでいただき、唾液を採取します。
- 唾液の分泌量、質を調べます。
- 細菌の種類、量を調べます。
- 各項目の測定結果をお知らせし、その改善のための治療方法をご説明します。
検査前の注意事項
正確な検査結果を得て、適切な治療へとつなげるため、以下の点にご注意ください。
- ご来院前の激しい運動はお控えください。
- 検査時は、口紅、リップクリームを落としていただきます。
- ご来院前の1時間は、飲食、歯磨き、喫煙はお控えください。
- 検査後6時間は、歯磨き粉の使用、洗口液の使用はお控えください。
※1カ月以内にお薬を服用した方、口腔内で出血がある方は、事前にスタッフにお申し出ください。
経験豊富な歯科衛生士による歯周病プロフェッショナルケア
毎日歯磨きをしていても、磨き方の癖や習慣などで、やはりどうしても「磨けていないところ」ができてしまいます。また、歯並びや顎の小ささなどで、物理的に歯ブラシが届きにくい部位もあります。特にプラークが固まってできる歯石は、歯磨きでは取り除けません。
プラークの磨き残しや歯石のこびりつきは、虫歯・歯周病の原因となります。定期的に歯科医院でクリーニングを受けましょう。当院では、経験豊富な歯科衛生士が、虫歯・歯周病の予防のためのプロフェショナルケアを行っております。
クリーニング・ブラッシング指導
磨き残したプラーク、こびりついた歯石を徹底的に取り除きます。
また、歯磨き、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使ったセルフケアの指導も行います。
PMTC
PMTCを日本語にすると、“専門家による機械的な歯面清掃”となります。
歯科衛生士が専用の器具を用いて、歯の表裏、歯間、歯ぐきとの境目まで、歯面を傷つけないように清掃します。
PMTCの後は、お口の中もすっきり。舌で歯を触ってみると、ツルツルしているのが分かります。表面的な汚れであれば、PMTCである程度落とすことができます。
プラークの付着予防にもなりますので、ぜひ一度体験してみてください。
歯周病治療は、予防と定期的な来院が重要です
歯周病は、歯の土台である顎の骨が溶けてしまう病気です。虫歯と比べて歯を失うリスクが高い一方で、初期にはほとんど症状がなく、受診が遅れてしまいがちです。
つまり「歯を失わないため」には、無症状のうちから歯周病予防に取り組むことが重要だと言えます。ご自宅でも予防のためのセルフケアは可能ですが、完璧なブラッシングを毎日3回するのは並大抵のことではありません。また、歯周病菌の繁殖源となる歯石は、患者様ご自身で除去することができません。
セルフケアに加えて、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受け、歯周病と虫歯を予防しましょう。定期的に歯科医院に通うことで、万が一口腔トラブルが発生した場合も、重度にまで進行する前に発見し、早期に治療を開始することができます。